自己紹介
はじめまして。プロダクト開発部の森本です。
現在、「Reader Store(運営:株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント)」のPMを担当しております。
PMと言っても、会社によって業務内容が多岐にわたるのでReader StoreのPMはこんなことしていますというのをイメージしていただければと思い記事にしました。
業務内容
最近実施した新機能開発の案件に沿ってお話しします。
課題抽出
2020年~2021年にかけて有名人気コミックがシリーズ完結を迎えました。
これまでReader Storeで上記シリーズを購入していたお客様は、シリーズの完結をきっかけにストアから離れてしまう可能性があります。
BIツールを使い、実際の数値を確認し、仮説を検証していきます。実際の数値を見ても、完結シリーズを購入していたお客様の数パーセントが、シリーズ完結以降、新しい商品をストアで購入していないことがわかりました。
新しく読みたいコミックがないお客様に対し、新しい出会いを提供し、ストアを継続して利用してもらいたいと考えます。
そんななかで、選んだコミックに似た商品を表示する機能(以後、「似た商品を探す」機能)を提供したいという要望が上がったので、この機能の導入について検討を進めました。
まず、「似た商品を探す」機能を導入することでどんな効果・インパクトがあるかを試算します。
ストアには新機能と同じように、タグを用いて商品を探す機能があるため、タグ機能と同じくらいの売上が見込めるのではないかと仮定しました。
また、「似た商品を探す」機能は、作品同士の似てる要素をグラフ化するなど独自性を持たせることで、お客様に楽しんでいただく機能です。その結果、利用者の拡大や利用頻度向上にも繋がるはずだと考えました。
要件整理
「似た商品を探す」機能の要件を整理していきます。
- シリーズを指定し、似た商品を検索
- 似た商品結果を表示するページを新設
- コミックジャンルに限定
- 書誌詳細、シリーズ詳細ページに結果ページへの導線を追加
新設ページの画面構成要素については、既存のデータの持ち方や既存コードを見て実現可能なものを判断しながらラフ案(ワイヤーフレーム)を作成しました。
また、このタイミングでやらないことも明確にしておきます。
今回はスモールスタートとして、改善を進めていく前提にし、コミック以外のジャンルは見送ることや、似た商品結果の利用範囲を書誌詳細やシリーズ詳細ページからの導線に限定することなどを事前に決めておきました。
各部との調整
デザイン検討・調整
要件整理で作成したラフ案をもとに、デザイナーへデザイン作成を依頼します。
今回の案件では、似ている要素を視覚的にわかりやすくするためにどうするかをポイントにしていたので、デザイン案をいくつか作成していただきました。
上記のキャプチャは一例ですが、A案のチャートの方がB案と比べて似た商品が並んだときにぱっと見て似ている要素がわかりやすいです。
ですが、検索元商品との比較がしづらいなどの課題にも気付きました。検索元商品の要素もチャート化することにより、視覚で比較できるようにする工夫を盛り込みました。
このようにデザイン案を見ながら、細かく関係者と議論して調整しました。
ビジネス部門との調整
ビジネス部門に向けて、開発目的や、変更内容・決まったデザインなどを共有します。
新しい機能のリリースになるため、リリース時のユーザー周知や露出の方法なども関係者を巻き込んで相談しながら決めていきました。
開発共有
開発者へ要件を説明します。
開発者が詳細設計をしていく中で、要件では明記されていなかった細かな仕様の詳細を詰めたり、開発スケジュールの確認をしたりします。
開発サポート
進捗状況や開発を進める中で出てきた課題を確認します。
必要があれば、仕様を再調整するなど、開発がスムーズに進むよう尽力します。
効果測定
「似た商品を探す」機能の効果が期待通りに出ているかリリース後に効果測定しました。
BIツールやGAの数値を見ていくつかの気付きがありました。
「似た商品を探す」機能は、他の既存機能と比較して、CVRや離脱率などでは良好な数値を出していましたが、PV数が想定していたより良くないことがわかりました。
新機能のユーザー周知が足りていないことが原因だと考え、改善するために他チームにも協力してもらい、PUSHやメルマガ配信を実施しました。さらにTOPページの露出追加を行い、多くのお客様に知っていただこうと画策中です。
このように、効果が良くない場合は改善できる方法を考え、できることから進めていきます。
案件以外の業務内容
問い合わせ対応
運用チームやCSからの問い合わせ対応を行います。
コードやデータを見て、状況確認します。
システム対応が必要な場合は、対応の進め方を検討したり、関係部門との調整したりします。
障害対応
システム障害が発生したときには、開発メンバーの音頭をとって障害対応を進めます。
開発プロセス改善
開発が迅速に進むよう、開発ルールの整備など開発プロセス改善も進めます。
全体を通して
やりがい
新しい機能をリリースして終わりではなく、効果検証をして改善を進めていくことができます。単発ではなく、一貫して関わることができます、もっとこうしたいということを実現するチャンスが多いです。
リリースした機能に対して、社内評判が良かったり、感謝の声掛けをしてもらえるとやって良かったなと感じます。
また、ユーザーからの良い感想などを見ることでも嬉しい気持ちになります。
大変なところ
さまざまな部署やチームに説明する上で、知りたいポイントがそれぞれ違います。そのため、それぞれが理解しやすいように伝えないといけないです。資料作成など時間がかかってしまい、つらいです。
やりたいことがたくさんあり、行列待ちになっているので、できないことも出てきてしまいます。優先順位を上手く決めることややらないことを判断するのは難しいです。
まとめ
Reader StoreのPMは業務が幅広く、私自身まだまだできないことも多いですが、その分やりがいがあり、成長できる仕事です。
これからも日々の業務を頑張っていきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。